顕彰事業 大林賞第10回大林賞受賞者
(2018年)

ジャック・ラング氏アラブ世界研究所(IMA)理事長

ジャック・ラング氏
1939年 フランス生まれ。パリ大学法学部及びパリ政治学院卒業。24歳で教授資格者となる。法学博士。
1963年 ナンシー国際演劇祭の前身であるナンシー演劇祭を創立し、実行委員長を務める。
1981年 フランソワ・ミッテラン大統領が誕生すると文化大臣に抜擢され、1986年まで務める。
1986年 社会党から初出馬して国民議会議員に当選。
1988年 ミッテラン再選にともない文化大臣に再任。1995年のシラク政権誕生で閣僚を退くまでに、革命200年担当大臣、情報担当大臣、国民教育大臣などを兼務。
1994年 欧州議会議員に転出するが、1997年ふたたび国民議会議員に当選。
1989
~2000年
ブロワ市長を兼務し、その後パ=ド=カレー県の国民議会議員を務める。
2013年 オランド大統領よりアラブ世界研究所(IMA)理事長に任命される。

授賞理由

ジャック・ラング氏は、ナンシー大学在学中に現在のナンシー国際演劇祭の前身であるナンシー演劇祭の設立に創設メンバーとして参加し、ナンシー市が世界から注目される文化芸術創造都市へと飛躍するきっかけを作られました。また、ミッテラン大統領の下で文化大臣としてハイ・アートとロー・アートの垣根を取り払い、旧来の芸術様式に加えてサーカス、写真、大衆音楽、モード、デザイン、なども「文化」として国の支援対象とし、国立サーカス学校や「音楽の祭典」を創始したり、また地方自治体への文化予算の委譲をすすめ、地方分権化を推進したりするなど大胆に文化政策改革を推し進めるという実績を残されました。さらに、フランス革命200周年記念行事では総責任者となり、ルーブル美術館のガラスのピラミッドや新凱旋門の建設など一連の「大工事」(les grands projets)事業を指揮し成功に導かれました。
長年に渡るその先進的な文化政策と地方創生への取り組みが、フランスの都市改革やそこに住む人々の暮らしに多大な影響を与え続けてきた同氏の功績は大林賞の受賞に値するものと考えます。