大林財団について
ごあいさつ
20世紀後半の日本は、戦後の荒廃からの復興、先進国への仲間入りなど、明快で大きな目標の下に経済成長を遂げ、世界第2位の経済規模を誇るまでになりました。鉄道、道路、上下水道のような公共建設のみならず、オフィスや住宅建設における技術の進歩は目覚ましく、多様な意匠の出現が市民の選択の幅を広げるなど、都市を構成する要素の物理的な問題に対して、日本の社会はある程度の解答を出してきたと考えています。
ところが前世紀末から現在に至る間に、経済成長は停滞、少子高齢化、人口減少などの社会の変化により、今の日本は将来の目標を失い、精神的な豊かさの感じられない、委縮した社会になりかけています。
弊財団の設立趣旨の中にバランスの良い「都市づくり」が人々に「豊かな生活」をもたらす、という認識がありますが、このような視点こそが日本の健全な未来を志向する上で重要であり、幣財団は都市の機能や文化について、日頃研鑽を重ねる研究者を支援し、都市研究のさらなる進展に貢献することにより、真に豊かな日本の都市を実現させる一翼となるべく、努力してまいりたいと考えています。
理事長大林 剛郎
設立の趣意
20世紀後半におけるわが国は、戦後復興とともにめざましい産業社会の進展を遂げてきましたが、一方では、都市への過度な人口集中を招き、交通の混雑、住宅問題の深刻化のみならず、自然環境の急激な変化をもたらし、その結果人間性に乏しい都市を出現させるに至りました。
21世紀に向けて、都市のもつ利便性と人間を中心としたバランスのよい「都市づくり」が人々に「豊かな生活」をもたらすうえで緊急な課題であり、そこでは、これ迄のような先端的な技術のためのモニュメンタルな建造物を中心にすることや、機能中心のオフィスの建設など「経済性」のみを追求する都市づくりではなく、景観の重視や、文化的な施設を取り込んだ生き生きとした人間の生活する場(コミュニティ)を中心とした「都市づくり」が必要と考えられます。
以上のような視点から、都市の構造と機能、文化と環境は、どうあるべきかについて研究を進めることが必要であり、更にそれを実現するための技術の開発研究などの問題が山積しております。
このためには、学術の総合的かつ学際的な研究を早急に進めることが望ましく、民間からの重点的な研究支援が是非とも必要であると考えております。
そこで、ここに関係各方面のご賛同を得て財団法人大林都市研究振興財団を設立したものであります。
1998年9月
財団法人 大林都市研究振興財団
設立代表者大林 芳郎
事業内容
- 1. 都市に関する学術研究に対する助成
- 2. 都市に関する学術研究を行なう海外在住研究者の招聘及びわが国研究者の海外派遣に対する助成
- 3. 都市に関する国際会議、研究集会、シンポジウム及びセミナー等の開催に対する助成
- 4. 都市に関する学術講演会、シンポジウム及びセミナー等の開催
- 5. 都市に対して新たな視点からの提言、研究等を行う制作者等への助成
- 6. 都市に関する学術研究等において優れた成果を挙げた研究者に対する顕彰
- 7. 都市に関連ある分野の実業、実務又は学術研究に将来従事しようとする国内学生及び留学生に対する学資の給付及び支援等
概要
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- 1998年9月22日
- 設立
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- 2010年9月28日
- 内閣府から公益財団法人への移行認定を受け、同年10月1日より「公益財団法人大林都市研究振興財団」となりました。
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- 2011年9月16日
- 「公益財団法人 大林財団」へ名称変更いたしました。
所在地・お問い合わせ先
〒104-0045
東京都中央区築地1-12-22 コンワビル13階
電話 :03-3546-758103-3546-7581
FAX :03-3546-7582