顕彰事業 大林賞第1回大林賞受賞者
(2000年)

ヴァン・モリヴァン氏アンコール地方遺跡保存整備機構総裁、上級大臣待遇 [受賞時]

ヴァン・モリヴァン氏
1926年 カンボジア生まれ。プノンペンで中・高等教育を受けた後、フランス留学。
1956年 カンボジアに帰国後、民間建設局長、都市計画・住宅整備局長等を歴任。
1962年 公共事業・通信省政務次官に就任。
1965年 王立芸術大学学長就任。
1967年 教育・芸術大臣就任。

1970年から20年余にわたる戦乱の終結後、1991年から都市計画や都市の再開発に携わり、アンコール遺跡の保存修復活動に傾注。
受賞歴として、カンボジア王国勲章、レジオン・ドヌール勲章(フランス)など。

授賞理由

モリヴァン氏は、建築家そしてカンボジア政府の高官として、40年余にわたって数多くの公共施設の建設や、都市計画および都市の再開発に携わってきました。その代表的なものとして、「独立記念塔」、「チャムカーモン迎賓館」、「チャドモック国際会議場」、「総理府庁舎」等の著名な建築が挙げられます。また、「国立オリンピック施設周辺整備開発」や「プノンペン都市再開発計画マスター・プラン」はじめ、アジア・アフリカ地区における都市開発をも手がけ、顕著な業績を残してきました。
同氏は、長年の戦乱で荒廃したカンボジアの復興にあたって、「文化遺産を修復・活用して都市機能を充実させることが、観光・文化国家としての再生につながる」として、アンコール遺跡の保存・修復に全力を尽くしてきました。これらの活動を通じて、世界遺産の復元と都市の再構築に多大な貢献をされています。