顕彰事業 大林賞第4回大林賞受賞者
(2006年)

カール・ガンザー氏元IBAエムシャーパーク公社社長

カール・ガンザー氏
1937年 ドイツ・ミンデルハイム生まれ ミュンヘン大学とミュンヘン工科大学にて、化学、生物学、地質学及び地理学を学ぶ。
1964年 ミュンヘン工科大学にて都市計画及び都市社会学を専攻し、理学博士号を取得。教授資格を取得後、同工科大学にて員外教授を務める。
1967年 ミュンヘンの都市整備に携わる。
1971年 連邦建設省の為の応用研究を手掛ける学術機関で、約150名の職員を擁するボンの連邦芸術・国土研究機関の長官に就任。
1980年 ノルトライン・ヴェストファーレン州建設省で、都市更新、文化財保護、市町村道路建設および地区計画を管轄する局の局長に就任。
1989年 IBAエムシャーパーク公社社長就任(~2000年まで)
2000年 ドイツ建築センター(DAZ)会長(~2004年まで)

授賞理由

1960年代から始まった世界的な産業構造転換の中で、ドイツのルール地域では基幹産業の石炭鉄鋼産業が衰退し、環境破壊が進むと同時に、職場の喪失、人口の減少といった社会問題を抱えることとなりました。
IBAエムシャーパーク・プロジェクトは、この状況を打開する為に、エムシャー川流域800平方キロメートルの地域について、自然環境の修復と住環境の快適化を進め、21世紀的な新産業の立地を実現した地域開発事業です。IBAエムシャーパーク公社は、このプロジェクトを主導し、関係17自治体との協議し、10年という限られた期限の中で、90にも及ぶプロジェクトを推進サポートし、開発にあたっての基本的思想や手法の基盤を確立しました。
ガンザー氏が公社社長として成功に導いたこの再生事業は、世界の人口減少と産業構造の転換に直面する地域に、示唆を与えるものです。