制作助成事業 2017年度 採択者

2017年度 採択者

会田 誠氏

Courtesy Mizuma Art Gallery

会田誠氏

1965年新潟県生まれ。1991年東京藝術大学大学院美術研究科修了。
美少女、戦争画、サラリーマンなど、社会や歴史、現代と近代以前、西洋と東洋の境界を自由に往来し、奇想天外な対比や痛烈な批評性を提示する作風で、幅広い世代から圧倒的な支持を得ている。絵画、写真、映像、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画など表現領域は多岐にわたり、国内外で活動。近年の主な個展に「天才でごめんなさい」(森美術館、2012-2013年)、「ま、Still Aliveってこーゆーこと」(新潟県立近代美術館、2015年)、「はかないことを夢もうではないか、そうして、事物のうつくしい愚かしさについて思いめぐらそうではないか。」(ミヅマアートギャラリー、2016年)など。

委員長コメント

都市へのヴィジョンをどのようにアーティストが考えるのか。未来志向的な前のめり感があるようで、じつはかなりラディカルな特徴がこのサポートにはあると考えています。かつてのユートピア的な創造性が好まれる時代ではもはやなく、都市をくまなく経済や管理の論理が覆う時代にあって、あえて個人の感性をもとに表現するアーティストが思い描く都市のヴィジョンを知りたいと私たちが思うとすれば、それは国家や自治体や企業の描くものとは全く異なるものになるだろうと思います。
地球環境や他者との共存を切実に求める私たちがそこに希望や望みを託すべきなのでは無いでしょうか。そうした考えをもとに選考委員が多くのアーティストの名前を挙げ、それに相応しい一人のアーティストを選考しました。議論の幅は過去の作品から世代の違いまで数多くありましたが、そのなかでこのラディカルさにおいて会田誠を選ぶ点については全員一致していたのではないかと思います。会田氏がこの新しいアーティストの創造性をサポートする一人目に選ばれたことは、今後もこの事業が持つメッセージを力強く伝えてくれることと信じています。

アーツ前橋 館長
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 准教授
住友 文彦