顕彰事業 大林賞第3回大林賞受賞者
(2004年)

ジェルマン・ヴィアット氏フランス文化財主任学芸員、ケ・ブランリー美術館
ミュゼオロジープロジェクト・ディレクター [受賞時]

ジェルマン・ヴィアット氏
1939年 カナダ生まれ。フランスのソルボンヌ大学及びエコールド・ルーブルで美術史の高等教育を終了
1963年 フランス文化省美術局勤務。
1967年 国立現代美術センター事務局。

1969年からジョルジュ・ポンピドゥ芸術文化センターの設立に参画。『パリ‐パリ』(1981)、『前衛芸術の日本』(1985)など数多くの展覧会を実現。マルセイユ美術館群の館長、美術館局監査部ディレクター、国立近代美術館館長を経て1997年より現職。

授賞理由

都市を考える際に、機能性や利便性の面ばかりを追及するのではなく、人が活動していく上で都市の存在をよく認識させ、創造性を呼び起こさせ、精神の高揚や充足感をもたらせる、そのような都市の姿がクローズアップされています。そこには文化や芸術の分野が大きく関与しており、美術館はその役割を担うものとして、大きな期待が寄せられています。ヴィアット氏は、美術館のもつこれらのパワーをパリの「ジョルジュ・ポンピドゥ芸術文化・センター」において先駆的に実証し、国際的評価を勝ち得ました。また、マルセイユの美術館群の整備においても、地域の特性を生かした都市の再生を見事に実現し、美術館が都市づくりの重要なインフラとしての機能を持つことを明らかにしました。同氏の思考や美術館革命とも呼ばれた手法は、多くの建築家や都市研究者に大きな影響を与え続けています。